One Minute Video コンテスト キックオフミーティング
3月11日の東日本大震災の影響で延期になっていた第1回『One Minute Video コンテスト』(日本ユニセフ協会主催)のキックオフミーティングが、品川にある日本ユニセフ協会で行われた。One Minute Videoのワンミニッツビデオとは、要は1分間ビデオ作品のことである。それらの作品を募集し、映像祭をどのように運営していくかを考えることがキックオフミーティングの目的である。
この映像祭のユニークさは、コンテストを企画・運営するのが、主催する日本ユニセフ協会のメンバーだけではなく、大学で映像やデザイン、メディアや情報などを学んでいる学生たちが実行委員会を形成し、主体的に行うことにある。つまり、学生たちが応募要項の作成から作品募集活動、審査、発表会活動までを切り盛りし、さらに自ら作品を制作し、作者としても参画し、映像祭を盛り上げる。今日は、東海大学、駿河台大学、東京工芸大学、昭和女子大学の学生15名が参加。オブザーバーとして本コンテスト審査委員長の東海大学文学部広報メディア学科准教授の五嶋正治氏、日本ユニセフ学校事業部副部長の三上健氏、文教大学の情報学部情報システム学科准教授の川合康央氏、昭和女子大学人間社会学部初等教育学科の駒谷真美氏、少年写真新聞社の山本敏之氏と私の6名、計21名が参加した。
One Minute Video コンテストの詳細は、後日後述するとして、第1回ミーティングから私たちの頭を悩ませたのは、昨年末に仕上げていた応募要項の肝である映像祭のテーマについてである。応募要項にはテーマ『地球市民になろう』と記載されていたが、ユニセフの三上さんより「これは昨年私たちが考えたテーマであるから固執しなくていい」「皆さんの若い感性や頭で、企画、運営しやすいように柔軟に変えてもらっても構わない」という映像祭の根源的な主旨を一番始めにまな板にのせたことによって、さて、「市民」とは、さて「地球」とは、という言葉の定義の論議が始まってしまった。言葉の定義ならインターネットで検索すれば、誰にでも即座に解るけれども、参加したい、参加させたいと思う他者がその言葉から何を連想し、何を理解しあうかは、正直誰にもわからない。そんな奥深い定義の話し合いに約1時間近く費やしてしまったが、当然正しい答えが出るわけもなく、後日実施される学生実行委員会で、各大学が意見を持ち寄り、決めるということに落ち着いた。
私が参画していた東京ビデオフェスティバルでは、『市民ビデオ』という旗印を掲げ、その市民ビデオの普及、啓蒙に31年間尽力してきたが、その私たちでさえ、市民ビデオという表現や市民という言葉の響きを、誰にでもすんなり受け入れてもらうことは出来なかった。学生たちは、このコンセプトワークを楽しんでもらえるだろうか、それともあまりにも重く、難しいテーマに嫌気をさしてしまうのだろうか。どんな案が出てくるか楽しみだが、この問題の本質は、映像祭の『テーマ』ではなく、むしろ募集の『コンセプト』であることに気がつけば、私たちが求めている映像祭のテーマは、おのずと発見できるはずだ。このようなことから始まる映像祭の企画・運営は、作品を集め、評価し、上映し、賞状・賞金を与えるだけが目的ではなく、運営に参加したすべての人々が、やり遂げなければならないコトに対して、発生した問題や課題に対し、それぞれが考え、意見を言い、答えを探していくプロセスが重要であり、これこそが映画祭を運営する意義である。参加者全員を楽しませるという究極の目的はさておき、さっそく学生たちは、わけのわからぬままに映像の迷宮世界に入ってしまったのである。
2011年12月



