第1回かながわNPO映像祭
去る2009年3月26日(金)に『第1回かながわNPO映像祭 ~神奈川の未来を映る~ 』が、かながわ県民センター2階ホールにて開催された。当初一次審査委員の予定が、急遽本審査委員も依頼された。まったくのボランティアだが、受けたからには全力でやらねばと思い、入選作品を何度も見直した。一個人として、生活者の目線を忘れず素直な気持ちで作品に接すると下記の審査の軸が見えてきた。
1、(自分が)この活動に参画したいか
2、(自分が)この活動を応援したいか
3、他の団体に参考になるか
具体的な作品の見方は、以下の5点にまとめられるのではないかと考えた。
① NPOを主催している人たちの顔が見えるか
② NPOの活動の様子がきちんと描かれているか
③ 参画している人が活き活きとしているか
④ 活動している人たちに共感を持てるか
⑤ 活動の目的や意義に賛同できるか
入選26作品の作品講評
■コミュニティーバスは街づくり! (大賞)
(NPO法人 かながわ福祉移動サービスネットワーク)
交通不便な地域の人々のために、市民運営のコミュニティーバスが大和市西鶴間で運行されている。バスを利用しているお客様や準備会の原さん、大和市の職員、ボランティアの方々の声を聞き、『市民がつくる公共』の新しい形態を模索する。活動紹介にとどまらないNPOの思いが伝わる作品。
■地域の元気をみんなでつくろう!
(NPO法人 夢・コミュニティー・ネットワーク)
写真と実写とBGMを重ね合わせて磯子・滝頭地域のイベントを紹介する。作品の中に市民による対話があるとインパクトが出る。
■インタビューでつなぐ”望星の森”
(NPO法人 緑のダム 北相模)
望星高校とNPOが森林間伐や植樹活動を一緒になっておこない『望星の森』を守る。応援者、指導員、出版社の方々の思いが活動の根底を支えている。
■エコサーファー ~きれいな湘南をめざして~3分版 (優秀賞)
(神奈川県立藤沢工科高等学校放送部/エコ・サーファー)
エコ・サーファーの堀直也さんのインタビューをベースに、「ビーチマネー」の仕組みを解説しながら、海岸を綺麗にしようする若者たちの取り組みを紹介している。堀氏の真面目さが光る。
■“2009”大いに盛り上がった市民活動フェスタ
(さがみはら市民活動サポートセンター)
相模原淵野辺公園での市民活動フェスタの紹介。来場客や見学者のインタビュー・シーンをつなぎ、ナレーションで報告する。展示物、参加団体の名称を分りやすくPRするため、テロップなどを使えばさらによくなるだろう。
■ジャパンヨガアカデミー
(ジャパンヨガアカデミー(NPO法人 日本YOGA連盟))
主催者の今津さんは、生まれつき身体が弱く、3人の子どもを生んだあと寝たきり状態の日々が続いていたが、ヨガで体調を取り戻す。自分自身がヨガで救われたことを広めたいとヨガ教室を開き、指導しいている。身体パフォーマンス・ビデオとしても面白い。
■フラワーセラピー研究会・藤沢
(フラワーセラピー研究会・藤沢)
平成17年より活動を始め、今年で4年目、会員数は40名に達する。高齢者施設や障害者施設で、フラワーアレンジメントを通したコミュニケーション活動を描く。使用しているオーストラリアのワイルドフラワーが、花のパワーや効能を感じさせる作品に仕上がっている。
■わいわい善行
(わいわい善行)
高齢者、一人暮らし、老若男女の交流の場を創出している団体。ナレーションと映像で活動を紹介。参加者らの声が聞ければもっと良い作品になる。
■花のボランティア藤沢
(花のボランティア藤沢)
10年前、定年退職を機に草花によって福祉と環境に貢献しようと精神・知的障害者施設のガーデニングを軸にボランティア活動を開始した。活動の母体をもうすこし説明すれば、活動の内容が伝わる。
■子育てじゃんけんポンの保育ボランティア活動紹介
(子育てじゃんけんぽん)
藤沢市生涯ボランティア大学を卒業生した20代から70代までの幅広いママたちが集まる団体。キリン財団から助成金をもらい活動を展開する。ナレーションが少し早口なので、ゆっくり話したほうが理解しやすい。
■市民カメラマンの一年
(市民カメラマン)
カメラを携えながら積極的に相手に話しかけ、市民カメラマンとして『藤沢』を紹介する。冒頭のアニメーションが楽しい。教訓1~8のテロップもウィットが富んでいる。個の視点による地域紹介ビデオとして可能性を感じる。本人が出てくれば映像に厚みが加わる。
■SFSの紹介 (優秀賞)
(NPO法人 湘南ふじさわシニアネット)
2004年3人のシニアの居場所づくりを目的に活動開始、09年で会員数は100人にのぼる。藤沢商店連合会や江ノ島藤沢ポータルサイト、慶応大学とのコラボレーションなど事業活動が活発。さらに会員は趣味や遊び、学びの会を主体的に実施。このNPOの素晴らしさは、会員同士が好きな『分野』を通して楽しく過ごせる場を自ら構築し、コミュニケーションの輪を広げていることにある。他の団体にも参考になるのではないか。
■海浜植物の保護育成 1
(湘南みちくさクラブ)
写真と童謡を効果的につかい、ほのぼのと活動を紹介。J:COMの取材など、成果をさりげなくPR。代表者が初めに出てきてナビゲートするなど、もうすこし活動の全体がわかるような工夫が欲しい。
■「災害ボランティアネットワーク」とは…
(相模原災害ボランティアネットワーク)
地域の問題を地域で解決しようとする災害ボランティアネットワークの活動を、写真と大量のテキストで伝えている。作品の主体が文字を読む構成になっているので、映像的にPRビデオとしては弱い。
■I'm OK!Your OK
(NPO法人 エンパワメントかながわ)
創立5年目のNPOだが、地に足がついた活動をしている。活動実績を絵や写真、テキストで紹介。とくに絵が素敵だ。「あなたはあなたのままでいいんだよ」というメッセージが心をうつ。代表者阪口さゆみさんの生の声が聞きたくなった。
■おもしろ科学たんけん隊
(NPO法人 おもしろ科学たんけん工房)
理科の講座を月1回、藤沢2会場、横浜5会場で開催。この会の特色と強みはアシスタント・スタッフが多数いることだ。作品の最後に出演された紹介者の自己紹介が欲しい。ホームページのアドレスがあれば完璧だ。
■さんわーくかぐや
(NPO法人 さんわーくかぐや)
2008年4月開所。飼育、調理、園芸、音楽、創作、共生をベースに「創作と働く機会」の創出を目的とする。会員の肉声がどこかに欲しい。
■海はバリアフリー セイラビリティ活動
(NPO法人 セイラビリティ江の島)
100名の会員を有するNPOの紹介。ボランティアメンバーの西沢敦君は、身体に障害をもちながらも、オーストラリアで開発された「アクセスディンギー」をのりこなす。西沢君に体験談を語ってもらうと、ヨット体験乗船活動の目的がさらに明確になると思う。
■里山とかかわる暮らしを
(NPO法人 よこはま里山研究所NORA)
写真とオリジナルの歌による構成。特に音楽と歌詞がよい。映像より音楽でボランティア活動を語る姿勢にしびれた。Chojiさん作詞、作曲「里山劇場」は一度聞くと忘れられないメロディーだ。
■旧モーガン邸を守る会 (優秀賞)
(NPO法人 旧モーガン邸を守る会)
藤沢市にある旧モーガン邸は2度の火災を経験する。会長の徳重さんがカメラに向かい、自らの言葉で会の活動を説明するのに好感が持てた。消失前の映像を保管、将来貴重な記録になりうる。
■僕の夏休み IN 市間
(NPO法人 子供と生活文化協会)
編集がよい。2人の枕投げから大勢の枕投げへ、さらにはゴキブリ退治に進む長回し撮影は心地よい。冒頭『ロンゲスト・ヤード』のような仰角撮影からクワガタ取り、流しそうめん、スイカ割り、花火まで、どのショットを見ても楽しさが伝わる。映像表現に力を入れすぎるあまり、NPO自体の主旨がわからないのが残念である。
■「住まいと心の耐震補強」
(NPO法人 暮らしと耐震協議会)
作品タイトルがよい。NPOの当事者5名が直接活動について語るのは、顔も見えるし、信頼と安心が担保される。地域の人も積極的に耐震について語り、思いが伝わる。短い時間の中で、NPO活動がうまく紹介されている。
■野生動物リハビリテーター
(NPO法人 野生動物救護獣医師協会神奈川支部)
野生動物ボランティアセンターの活動内容がわかりやすく、シンプルに、展開、構成されていて、活動の意義が素直に心に染み入る。PRビデオとしての完成度が高い。
■滞在施設って…ご存じですか? (優秀賞)
(NPO法人 スマイルオブキッズ)
神奈川県立子ども医療センターの入院患者家族の滞在施設を紹介。ハウスはチャリティ、募金活動により成り立っている。病気の子を持つ親の精神的な支えとして、とても意義のある活動である。中国やモンゴルからも高度医療を求めて来日する。
■パラボラジャパンの活動紹介 (優秀賞)
(NPO法人 パラボラジャパン)
視覚障害者に対して、パソコンの使い方を教えるボランティア団体。視覚障害者の方がどのようにパソコン操作を勉強するのかよくわかった。撮影、編集は荒削りであるが、ユーモアを含んだ語り口で支援活動を明るく伝えている。
■タイにつながる子ども達 -いつも元気でー
(日タイを言葉で結ぶ会 ラックパーサータイ)
継続的にボランティアがNPOに参画する方法は、「出来るときに、出来ることを、出来るだけ」というメッセージに凝縮されている。話しているタイ語の日本語字幕はうれしいが、活動内容が整理されていないので、本当に伝えたいことが伝えきれていない。
2010年6月



