グッドナイト・ムーン

―弱い脚本がふたりの演技を誇張させた―

" 赤いカーネーション 花言葉 『母への愛』 "

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この作品のPRに来日したスーザン・サランドンの記者会見に出席出来たのは、ソニー・ピクチャーに勤めている友人のおかげだ。アカデミー女優を身近に見ることができ感激で胸いっぱいである。

スーザン・サランドンは、『デッドマン・ウォーキング』や『テルマ&ルイーズ』などといった毛色の違った役でも存在感を示す役者として有名である。もう一人の主役は『プリティー・ウーマン』や『ペリカン文書』に出ていたジュリア・ロバーツだ。この人のどこがいいんだろうってずっと首をかしげていた私ですが、最近はウッディ・アレンの『世界中がアイ・ラブ・ユー』やロバート・アルトマンの『ザ・プレイヤー』などしなやかな演技で映画ファンを惹きつけている。本人の努力もさることながら、彼女の才能にいちはやく目をつけた人はやっぱりプロデューサー感覚を身につけた凄い人なのだろう。

この映画は、友人同志でもある二人が、本当に気に入った脚本と出会い、プロデューサーにまで名を連ねて、母、妻という役どころを創造性豊かに演じている。監督は『ホーム・アローン』シリーズでおなじみのクリス・コロンバス。オリジナル脚本をリライトしたのは『レインマン』の脚本家ロン・バス。編集は『ダンス・ウィズ・ウルブス』のニール・トラビス。音楽は巨匠ジョン・ウィリアムスといったオスカーウィナーたち。

残念ながら私にははまらなかった。なぜだろうと考えると、脚本は今風にアレンジしているけれど内容は平凡そのもの。親子でロックを歌ったり、写真を使ってこじつけたり、嘘の恋愛ストーリーを子供に語らせてみたり、朝がたの月をバックに乗馬をしたり、鼻について気色が悪かった。この脚本は陳腐でありながらも、ふたりの渾身の演技により救われている部分もあるが、なんどもリライトした脚本が示すようにスピリットが空回りした悔やまれる一作である。

1999年3月